アメリカンまたたび

3年半のアメリカの大学生活を終えて日本に本帰国した23歳女の戯言

【2015年振り返り】歴史を勉強することの重要性を教えてくれた、今年読んでよかった本(英語・日本語)


いろんなブロガーさんが今年を振り返る系の記事を書かれているので、わたしもそれに便乗して振り返りエントリーをぼちぼち書き始めますね。

第1弾は本です。今年読んだ本で、これは読んでよかった!というものをご紹介します。まあまた相変わらず教科書以外でろくに読書をした記憶がないんですが・・・w もっといろんな本を読みたいという気持ちは山々なんですけどね。まあ大学の予習やら課題やらテストやらが忙しいので、、。

今回紹介する本は、英語と日本語の両方です。というのも、今年は日本語の本よりも英語の本をよく読んだなあという実感があるからです。では行きましょう。

①Race, Crime, and the Law

Race, Crime, and the Law
Randall Kennedy
Vintage
1998-03-31


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この本は、2015年秋学期に受講したHistory of Civil Rights Movementのクラスの教科書でした。このクラスはその名の通り、公民権運動の歴史を勉強するものです。マーティン・ルーサー・キング、Malcom X、Black Pantherなどのアメリカの公民権運動の重要人物(Black Pantherは政党)のスピーチや文献を主な授業材料とし、また追加的な意味でこの教科書を読みました。

この教科書の大きな特徴は南北戦争以前のアメリカ南部の奴隷の暮らしを具体的事象を用いられて説明されているセクション、また南北戦争から公民権法制定までのアメリカにおける黒人の方々が受けてきた理不尽な待遇や事件の数々を紐解いていました。事件だけを説明するだけでなく、それを法律的な視点でも論が展開されていたのを覚えています。

例えば、黒人と白人が結婚できないのはもちろんのこと、犯してもいないことでレイプだと疑われて捕まってしまったり。奴隷の時代には白人のオーナーがしでかしたことも、奴隷のせいになることなどなどまあかなりの理不尽なことがまかりとおっていたんだなと認識させられます。

この教科書の英語の語彙はかなり難しかったのですが、辞書をいちいち引きながら読みました。そこで見えてきたのは、今まで日本で生きてきたわたしが知ることがなかった、アメリカのダークサイドです。まあある程度の公民権運動のことについてはR大学時代にちょこっと勉強していましたが、きちんと詳しく勉強するとこんな酷いことが過去100年以内に怒っていたということがこの本の文字から叩きつけられるような気分でした。

そして今学期はこれまで以上にクラスなどで黒人の同級生と関わる機会が多く、仲良くなることもあったことから、それもまたこの本を読もうと鼓舞させてくれたことも事実としてあります。今でもアメリカでは黒人の方々が肌の色だけで犠牲になる事件が後を絶たない中、背景としてアメリカの公民権運動を知るのにこの本に出会えたことはとても幸運だったと思います。

この公民権運動の歴史のクラスでは他に2冊ほど本を読みました。こちらはどちらかというと、Criminal Justice系の本ですね。だけどここからもアメリカ公民権運動の背景となる、黒人の方々が受けてきた差別は見えてきました。興味あるかたはチェックしてみてください。

*The Jail
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*The New Jim Crow
http://amzn.com/1595586431


②Journalism: A Very Short Introduction




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これも教科書ですw 

これはA Very Short Introductionという本のシリーズで、ジャーナリズムだけじゃなくて、ほかにもいろいろな分野のものがあります。その分野の入門編を勉強するのにもってこいの本ですね。これが今学期のジャーナリズムのクラスの教科書でした。

さすが入門編というだけあってすごく読みやすかったです。かなり薄い本で、暗記するレベルで読み込みました。この本の面白いなあって思ったところは、今の最新のジャーナリズムシーンと、歴史を融合させて論を展開していることでした。前の学期に読んだジャーナリズムの本はただの歴史がたらたら書かれているだけで、面白いポイントもなくてただ退屈するだけでした。一方でこの本はインターネットやデジタルな側面から、今のジャーナリズムはこうあるのだ、と説いた上で、過去の新聞の歴史を紐解いていました。これがなんとも面白かったですね。親しみのあるテーマと、ちょっと難しいものをコンビネーションさせてあると、なかなか読み応えがあるものでした。

例えばタブロイドジャーナリズムの話は面白かったですね。今はキュレーションメディアなどのまあ安っぽいメディアが世界中で流行っていますけど、これも原型はタブロイド。タブロイドっていうのは、普通の新聞(NYTとかWSJみたいなやつ)の半分の大きさの新聞のことですね。有名な例ですと、New York Postとか。イギリスのDaily Mailとかもタブロイドだね。有名人のゴシップや、セクシュアルなエロネタなどまあくだらないことばかり取り上げて人々を寄せ付けていました。

このタブロイドの歴史をRupert Murdochの台頭から、ダイアナ妃の死におけるタブロイド紙の立ち位置について述べられたあとに、今のタブロイド紙に置き換わる存在として、ネット上にいろんなメディアが台頭してきているよね、というお話でした。その最もたる大きな存在はBuzz Feed。バズフィードの存在感はアメリカではかなり大きなものですし、これから日本にも上陸されますし、どんな風に展開されていくか楽しみだなと思います。

これは国に関係なく、日本で少しでもメディアに関わる人は読んでおくべきだと思います。主にイギリスとアメリカのメディア事情ですが、日本でメディア活動をしていても、この国のメディアシーンは無視できないものだと思いますしね。そして背景知識としてメディアが歩んできた歴史を知らないのに、メディアに携わるって恥ずかしいことだなあと、この本を読んで痛感させられました。それはなぜかと言うのは、過去(大昔も含めて)のすばらしい実績はどんどん参考にしたいし、また大昔に大馬鹿メディア野郎が犯した大馬鹿事件はきちんと学んで省みておかないと、これから自分がメディアに携わっていく上で大事なことであるからです。

しかも英語も簡単なので、苦にはならないと思います。リーディングが苦手なわたしでも面白いって思えたくらいだし。それにこれくらいの英語は読んで理解し、今の事象に落とし込めて考えられるようにならないとやばいと思われます。


これら2つの本に21歳のときに出会えてよかったと思います。それはきちんと歴史を理解できるようになったからですね。歴史を理解して、今の事象を考えることは、自分自身が何かを形にするときに欠かせないものであると思います。そして背景として理解することなく、何かを形にすると、その形にしたものの中身がスッカラカンだったり、安っぽいものになりかねないと思います。大学生のうちは名前だけすごい本(自己啓発とかさw)にたかりがちですが、こういう風に歴史を理解することをしておくと、今後数年、数十年したら人間としての厚みも変わってくるのではないかとこの2冊がわたしに教えてくれました。


③翔んで埼玉



いやー!面白かったし、意味不明なところで終わりましたw

魔夜峰央氏の漫画を読むのはこれが初めてだったんですよね。夜ふかしで取り上げられてて、これはやばいと自分の中で話題になり、気づいたらアマゾンで予約していたという行動力を見せつけました。

作者にとってはこれは単なる埼玉イジリにすぎないらしいのですが、この発想力に圧倒されました。埼玉をいじるというだけで、どこからこんな「サイタマラリヤ」だとか、東京との差別感を演出したのだろうと。ただ面白いっていうよりも、こういうことばかり考えていました。魔夜氏はどういう本を読んだり、経験をして、このような妄想をかりたてるのか不思議でなりません。パタリロも読んでみたくなった。

そして我が故郷の茨城県が日本の首都になるというトンデモな話も収録されています。

漫画家さんの妄想力に脱帽した一冊でした。


とまあわたしの記憶にある中で、今年読んだ本で印象的なのはこの3冊です。興味ある方はぜひご一読ください。

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