アメリカンまたたび

3年半のアメリカの大学生活を終えて日本に本帰国した23歳女の戯言

1948年のNYCで働く女性の話と写真から受けた衝撃 - 'Career Girl' from LIFE Magazine

日本に帰ってきて今日でちょうど4ヶ月になる。未だに心が安定しない。毎日ニューヨークに帰りたいと思っている。自分が下した決断に責任を持たねばなという感情と戦っている。

心が安定しない中、やはり自分自身の方向性とかやりたいことを見失いそうになることが何十回もある。仕事をしながら「わたしは一体何をしているのだろう」という気持ちになることもよくある。そんな風に自分自身がよくわからなくなった時、初心に帰らさせてくれる記事があるので、今回はこれを紹介したい。

time.com

1948年発行のLIFE Magazineに掲載された'Career Girl'である。このタイム誌のリンクは、雑誌の紹介だ。わたしはこの雑誌に強い衝撃を受けた。

著作権の関係上、写真を載せるのは遠慮しておく。ちなみにこのリンクに行けば、雑誌の記事が全部読める。"Educational Uses Only"とあるので、取り扱いには注意してもらいたい。

The Private Life of Gwyned Filling

この記事と初めて出会ったのは、2016年の11月末だった。サンクスギビングの休暇も終わり、大学はファイナルムード。わたしは卒業を控え、ファイナルプロジェクトに追われていた。

ジャーナリズムのDegital Publishingのクラスで、フォトエッセーの課題があった。その課題をやるのに当たって何かいいアイディアはないかなと思って教授のオフィスアワーに行った。そのアイディアとして教えてもらったのが、この'Career Girl'である。

教授はこの雑誌の原本を持っていた。わたしは茶色く酸化した、ヴィンテージの雑誌を手にした。時代の重みを感じた。

写真を見た時にわたしの体に衝撃が走った。なんだこの写真は。意味がわからなかった。今でもあの衝撃の意味がわかっていない。

この雑誌が発売されたのは、1948年だ。アメリカが日本と戦争をして、勝ってから3年しか経っていない。昭和23年だ。日本の視点から見たら、敗戦したばかりのそんな時代に女性がこのように働いているのもなかなか珍しい光景かもしれない。アメリカでもそうだったらしい。

珍しいからこそ、このように雑誌に大々的に取り上げられたのだろう。

'Career Girl'の名前はGwyned Fillingさん。ミズーリ州出身の当時、23歳。今のわたしと同じ歳である。ミズーリの大学で広告に関するコースを修了し、ニューヨークシティの広告代理店に就職した。同じコースをとっていた大学時代のルームメイトと一緒にニューヨークシティでも住んでいる。

雑誌のタイトルにもあるように、これはFillingさんのプライベートな生活を描写したものである。

教授はこの女性のポイントを教えてくれた。

①男性と肩を並べて仕事をしている写真が載せられていること

②入浴中の写真が載せられていること

③喫煙している写真が載せられていること

恥ずかしいが、わたしは当時のアメリカ、ニューヨークシティの女性の地位という価値観はよくわかっていない。教授によれば、これはすごく珍しいことだったようだ。これらをやっている人は少なからずいたかもしれない。ただこのように有名な雑誌で大々的に取り上げられることが革新的なことだったということらしい。

わたしがこの記事を見て、衝撃を受けたのは、Fillingさんの喜怒哀楽を絶妙なタイミングで一瞬一瞬キャッチしていることなのかもしれない。そのような記事の趣旨なんだろうけど、こんな写真を撮れる人をわたしは見たことがない。顔の表情から、その瞬間にFillingさんはどんな気持ちだったのかなというのがなんとなくではあるが伝わってくる。

彼女は雑誌にも載っている男性と結婚し、キャリアからは距離を置いて、ハウスワイフになったそうである。

カメラマンはLeonard McCombe氏。イングランド出身のフォトグラファー。界隈では有名な方らしい。

www.gallerym.com

70年近くたった今でも、何も色褪せていない空気感を演出できる写真ってすごい。

今までいろいろな記事をたくさん読んできたけど、ここまで記憶に強烈に残る記事はこれしかないかもしれない。

この記事を見た時に、こんなフォトエッセーが書けるようになりたいと思った。そしてこんな写真を撮れるようになりたい。写真はまだまだ勉強したてで、一眼レフの写真をようやくなんとなくで撮れるようになってきた。これをなんとなくではなく、根拠に基づいて撮れるようにならないといけないと思っている。

これがわたしが初心そのものだし、これからの人生でもわたしを支えてくれるに違いないと確信している。

Thank you, Professor Palmer for giving me a new insight for my career and life. 

Thomas Palmer - University at Albany-SUNY

 

yuki