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【海外ドラマや映画を偏見解説】Sassy Pants 親の過保護に悩むホームスクーリングの女子高生の自由への戦い

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海外ドラマや映画の紹介をシリーズ化しようと思います。今日、紹介するのは『Sassy Pants』という、超過保護の母親と、それに対抗するホームスクーリングの女子高生の映画です。

youtu.be

わたしがこの映画を見たのは、去年2016年の12月。大学の卒業式を終え、期末試験も終わり、日本へ送る荷造りが終わって暇していた頃でした。この映画の主人公である、Bethany Pruittを演じるAshley Rickardsを知っていただけで見ました。

Ashley Rickardsはこないだ紹介したドラマAwkward.の主人公です。

americanmatatabi.hatenablog.com

そもそもホームスクーリングってなんぞや

まずこの映画をより深く楽しむために、「ホームスクーリング」の解説からしようと思います。

ホームスクーリングとは、子供が学校に行かずに家で親から勉強を教えてもらって学ぶことです。米教育省管轄のThe Institute of Education Sciencesが出している2012年の統計によると、全米では1,773,000人もの子供たちがホームスクールしているそうです。

アメリカでは高校生までが義務教育。それでも学校に行かないのは、キリスト教が大きく影響しているわけですね。キリスト教原理主義で、人類はアダムとイヴが作ったと考える方々は、学校が自分の子供たちに進化論を教えると困るわけですね。

他にも親が望むことを教えられたらたまったものではない、そんな背景から親が直々に子供に勉強を教えるわけです。

先ほどリンクした統計、興味深いことにホームスクーリングをしているのは白人とヒスパニックだけという結果まで出しています。

家で勉強しかしていないんだったら、コミュニケーション能力とか低いんじゃないのか?と思うかもしれません。しかし、ホームスクーリングでもしっかり課外活動をするそうです。むしろ学校に行っている子供たちよりもたくさんしているというケースもあるらしい。

ホームスクーリングの子供の課外活動の参考リンク:

HSLDA | Extracurricular Activities

ホームスクーリングは国にとって珍しいことでもないそうなので、教育省がちゃんとこのようなResourcesを提示しています。

Homeschooling and Online Education

ここに様々な参考リンクがあります。カリキュラムだったり、ホームスクーリング用のテキストだったり。これを見ながらみんな家で勉強するんですね。

ちなみにわたしはアメリカに3年半いましたが、ホームスクーリングをしていたという人は見かけなかったですね。ホームスクーリングから大学に行く人もたくさんいるようです。でもそういう話は聞いたことがなかったです。だから知っているだけです。

とまあホームスクーリングの概要はこんな感じです。まさにこんな家庭が映画で取り上げられています。

過保護すぎて大丈夫?って突っ込みたくなるWeirdな母親

主人公Bethanyの悩みの種は、過保護な母親。何をするにも母親が決めつけ、何をするにも母親が監視をします。ホームスクーリングで家で勉強するのも、母親が過保護すぎるからです。

母親のJuneは自分の妄想の中の娘が、自分の本当の娘であることを信じています。例えば、卒業式(ホームスクーリングで高校を修了する)の服を調達するときも、「Bethanyはピンクが好きなの!みんなピンクばかり持っているの。」と言うシーンがあります。実際に持っている洋服、部屋の雰囲気、小物などはピンクですが、これも母親の押し付け。Bethanyの本心ではないわけです。

近所に住む、気になる男の子と話すのもNG。ただ家の前で話しているだけでアウト。

そんな母親の過保護な生活にBethanyは飽き飽きしていました。大学は絶対外に出るんだぞと、強く思っていました。ファッションが好きだからスクラップを作ることなどもしていました。母親に「ファッションの大学に行きたい」と言っても、何バカなこと言ってんのよと言われるだけ。

そんな時に母親が内緒で勝手にapplicationを送っていた大学、しかもFull-time online、そこから合格の手紙が届きます。(このfull-time onlineの大学からのレターが届いた時のシーンで、まじ母ちゃんどんだけ過保護なんだよwwwって笑ってしまった。)

Bethany、マジギレ。このままでは一生母親の監視のもとで暮らしていかなければいけなくなる。そこで彼女は自分の部屋から抜け出し、家出をします。

家出から自由をつかむまで

家出先は、父親の家。Bethanyの両親は離婚して、父親はボーイフレンドと暮らしていました。そこに転がり込んだわけです。

転がり込んでからは、いろいろな仕事を始めましたが、うまく行きません。そんな時にモールの安っぽそうな洋服屋さんで働くことができるようになります。Bethanyはファッションの仕事ができるというわけで大喜び。仕事にも精を出すようになります。

しかしレジでお客さんの相手をしていると、そこには母親がいるではないですか。母親がどこからか情報を手に入れ、連れ戻しに来たわけです。

また家に帰らないといけなくなります。仕事もクビになり、家に戻り、気持ちが混沌とします。

その後、また父親の家に逃げ、働き、着々とお金を貯めます。お金を貯めて何をするのか?それは大学に行くためです。ファッションの大学で勉強するがために、Bethanyは猛烈に働きます。

そして手にする合格証書。確かNYの大学だったかと思います。母親もBethanyが努力した結果だと、これには何も反論することができませんでした。

(ネタバレにならないように、途中の話の経過はざっくり書きました。詳しくは映画見てね。)

映画の考察

わたしが映画を見ていて気になったポイントをひとつシェアしようと思います。

これは時代背景と小道具です。映画のトレイラーにも、HOMESCHOOL GRADUATION CLASS OF 2011と書かれた幕が出てきます。時代はだいたい今から6年前の2011年です。

しかし見ていると気づきますが、小道具がいちいち古めかしいんですよ。2011年なら、スマホを持っていてもおかしくない時代。家のインテリアも1990年代初冬のドラマを彷彿とさせる雰囲気。電話も古くないですか?なんでこんなに古いの?

この謎は解けなかったので、興味がある方は誰かチャレンジしてみてください。

映画の感想

映画の途中で何度もヒヤヒヤしました。全く次が想像できない展開になっているんですもの。

なんか人間って抑圧された環境下でどんどん成長していくのかなと思いました。今ある状況は何が何でも嫌だ、なんとかして好きなことを手にしたいという欲望が、人間の心をDriveして前に進ませてくれるんでしょう。

まさにそれを体現している映画がSassy Pantsなのではないでしょうか。今ある状況を満足し、毎日が楽しいっていう生活ももちろん素敵なものだと思います。でもそれでは、ハングリー精神がなくてこれ以上にはならないんじゃないんでしょうね。(まあそもそも今ある状況を楽しめる人は、これ以上、上には行こうという発想にはならないのかもしれませんが。)

何かに夢中になって、それを手にするためにがむしゃらになることの価値を思い出させてくれる作品でした。

ちなみに日本では未公開の映画です。日本語の情報もほぼ皆無でした。多分、日本ではオフィシャルに映画見られないかもしれません。

アメリカにいる方は、Amazon Videoで見られます。Prime会員なら無料です。わたしはまだNYにいた頃これでみました。

www.amazon.com

NYTのレビューも貼っておきます。

興味ある方は映画も見てね。

 

yuki