アメリカンまたたび

2018年秋からニューヨーク大学の大学院で留学生教育を勉強する予定。

日本でCritical Race Theoryの教育を行うことについて、その3

この記事は第1,2弾の続きです。まずは1と2弾を読んでから、この記事を読むことをお勧めします。

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日本の教育にどのようにしてProblem-posing educationを導入し、人種に関する教育を行なっていけばいいのか

日本の小中高の教育にproblem-posing educationを導入していくことは、困難であるだろう。そもそも日本においてポピュラーな教育スタイルではなく、先生たちもこのような教育をするように訓練されてきているわけではないからだ。まず、先生たちは生徒に教える前に、teacher's trainingの段階で自分たちが日本における人種の問題を理解する必要があるだろう。

では教育者たちはteacher's trainingにおいてどのようにCRTとproblem-posing educationを導入していくことができるだろうか。Kumasi (2011)はDavid Stovall氏の理論を紹介している (p.216-217)。Stovallの理論はproblem-posing educationにとても似ている。以下が日本でCRT教育を行うための提案である。

①まず先生たちは日本における移民の歴史や政策、視点を知る必要があるだろう。この考えはKumasiがp.210で述べたことに基づく。

②第2のステップとして、外国人として日本に住んでいたり、日本国籍の複数の民族的背景を持つ人の意見、考え、経験などを聞く必要がある。KumasiはStovallの理論においてVoiceが重要だと述べている。

"He does so by privileging the experiential knowledge of his students and allowing them to use their real-world racialized experiences as the starting point for discussions about race(p.216).(注:訳しにくくで訳せませんでした)

その際に先生たちは以下のようなQuestionを考える必要がある。

・日本ではこれまでにどのような差別が問題になってきているのか

・日本ではどのような法律や政策があるのか

③第3のステップとして、学校やクラスでどのように差別を無くしていくことができるのか、そしてお互いの文化的背景をどのように尊重しあっていくことができるのかについてディスカッションをすることが重要だろう。

Kumasi: “the topical units of discussion for the class were designed not only to helprender race and racism visible in the media but also to help students make connections to academic concepts they would encounter in college(p.217). (注:訳しにくくで訳せませんでした)

Freire (1976)はproblem-posing educationを「人々が自分たちは不完全な人間であることを気づかせるための教育」と定義づけている (p.84)。この引用はCRTにおけるHegemonyを考えるにあたって、最重要であろう。

ディスカッションを通し、先生たちは誰しもが不完全であることを自覚しなければ行けない。そして生徒たちに教える立場になったとき、どんな文化も素晴らしいものであり、dominant groupの文化が他より優れていると考えてはいけないということを。

結論

CRTはinclusiveな社会を作っていくために必要不可欠な理論である。もしも日本でCRT教育を小中高でやっていくのであれば、problem-posing educationによる先生の訓練はなくてはならない。

(完)

参考文献:

- Kumasi, K. (2011). Chapter 7. Critical Race Theory and Education, Mapping a Legacy of Activism and Scholarship. In Beyond Critique, Exploring Critical Social Theories and Education (pp. 113-138). Abingdon, United Kingdom: Routledge.

- Freire, P (1976) Chapter 2. Pedagogy of the Oppressed (pp. 71-86).